不器用な覚書

相変わらず不器用な覚書。相方はYZF-R25になったようです。

3月18日

京都市五条通沿いに「大とら」というお好み焼きの暖簾のかかっているお店があります。
ちょっとそのお話をさせてください。

本来はラーメン屋さんとして始まったお店なんだそうです。
旦那さんがラーメン作って、奥さんが焼きそば、娘さんがお好み焼きを作って、年中無休で営業していたそうです。
お昼は11時から、明け方5時まで。
ずーっと続けていたそうです。

わたしがいったのは3月17日。昨日です。
お店はがらんとしていて、おばあちゃんがひとりで迎えてくれました。
このおばあちゃんが焼きそば担当の奥さんです。
お店に入って第一声は「いらっしゃいませ。でもなに頼むん?」
お好み焼きですと答えたら安心したように、「ああ、よかった」と。
昨年の暮れに入院していたそうなんですが、その間に油と埃でラーメンを作る機械が止まっちゃったそうで、今はラーメンが作れないんだそうです。

もともとお好み焼き狙いで行ったので問題なし! ということで、お好み焼きを注文。
友人も同じものを、と思ったら、「それはやめて」と。
代わりに「焼きそば頼んで半分こずつしたら飽きんでええ」ということだったので焼きそばも。

カウンターで手際良く焼かれるお好み焼きと焼きそばを見ながら、おばあちゃんが身の上話をしてくれました。
聞けば聞くほど波乱万丈というか、今だとそんなことあるんだ? と思ってしまうような人生で、じんわりと染み込んでいきました。

最近安定していなくて涙腺緩めなわたしは話を聞きながら泣かないようにするのが必死だったことは内緒です。

出来上がったお好み焼きはネギの風味たっぷりで、ひとり1枚は確かに途中でお腹いっぱいになっちゃうかも。
でも焼きそばはすっごく好きな味でした! ちょっと薄めのソース味なんですが、出汁の味なのかすごく深い、優しい味の焼きそばでした。
あんまり焼きそばって好きじゃないんですけれど(味が濃いので)ここの焼きそばはすごく好き!
キャベツもあまぁくなっていて幸せです。
すごく美味しかったです!

お話の途中ずっと「さみしいさみしい店になって」とおばあちゃんが口にしていたのが印象的で、きっと昔はそんなこと仰らなかったんだろうな、と思うとなんとも言えない気持ちです。
いつかは息子さんが戻って来るそうで、その時は「また来てね」というお手紙を頂けるそうです。
早く来ないかな、と思いながら、おばあちゃんひとりの時にもきっとまた行くだろうな、とも思います。

一気にたくさんお客さんが入ると捌き切れなくて遠慮されることもあるようですが、ツーリングで京都方面にお越しの際は是非立ち寄ってみてください。
一見入り辛い見た目かもしれませんが、居心地とお味はすごく良いです。
焼きそばはおばあちゃんの好きな味だそうで、おすすめです。


今日、18日がご主人の命日なんだそうです。
なんとなく自分が忘れたくないので、メモがわりに。





にほんブログ村 バイクブログ 初心者ライダーへ
にほんブログ村参加させていただいております☆